SHIROBAKOもいいけど、ウルトラスーパーチャンネルも見てみなよ
あなたは、SHIROBAKOというアニメをご存知だろうか。
SHIROBAKOとは、アニメ業界を舞台にしたお仕事系青春群像劇である。
2014年の放送以降、視聴者のアニメ業界に対するイメージや知識の形成に多大なる影響を与え、業界志望者を量産した作品である。
そんな志望者たちは、採用面接の際に面接官からの「アニメ業界のことをどれだけ知っていますか?」という質問に対し、口をそろえてこう答えるという。
「SHIROBAKOレベルです。」
と。
しかし、SHIROBAKOは残念ながらフィクションだ。アニメ業界のことを全く知らない人間にとってはとても勉強になるが、脚色や誇張表現、美化も数多く見受けられ、実務の参考になるかと言われればやや首をかしげる所だ。
もちろん業界を志望するのであればぜひとも見ておくべき作品であるし、業界に興味が無い一般の視聴者でも十二分に楽しめる高品質なエンターテイメントであることまでは否定しない。後世に語り継がれるべき素晴らしい作品だと思う。
だが、業界を目指すなら、もっと深い知識を身につけておく必要がある。はっきり言って、SHIROBAKOに影響をされて制作会社に入ったとしても現実にこてんぱんに打ちのめされるのが関の山だ。そんな後悔をしないために、そして面接で「こいつわかってるじゃん」と思われるために、今回はとっておきの動画を紹介したい。
もちろん、業界志望者以外の人でも一見の価値ありだ。少しでもアニメの制作を知って、これからのアニメライフをより充実させてもらいたい。
ウルトラスーパーピクチャーズという会社がある。
2011年に設立され、サンジゲン、ライデンフィルム、TRIGGER、Ordet、ギャラクシーグラフィックスなどのアニメ制作会社を傘下に持つ持ち株会社である。傘下企業の作品のライセンス運用や商品開発などをはじめとして、ウルトラスーパーアニメタイムやアニメモンスターストライクなどの企画も行っている。
さて、そんなウルトラスーパーピクチャーズ(以下USP)であるが、実は、動画の配信を行っている。
その名も、ウルトラスーパーチャンネル。
これこそが、今回おすすめしたい動画なのである。
ウルトラスーパーチャンネルとはなにか
ウルトラスーパーチャンネルとは、USPスタッフがアニメ制作の現場からお送りするウルトラスーパーな動画である。
具体的に言うと、手書きアニメーターやCGディレクター、演出など、アニメ制作に携わる様々なセクションの人々をゲストに迎え作品の裏話やどのような仕事であるかなどをトークする番組だ。より実務に近い部分の話を聞くことができるので、業界を目指す人間にとってはうってつけだ。
番組のフォーマットが若干異なっているため内容にも違いが見られるが、どちらも要チェックだ。
YouTube版
YouTube版は2014年12月19日〜2015年9月25日の間に不定期で投稿された。
プレ放送3回+本放送26回がYouTubeチャンネルのULTRA SUPER CHANNEL STAFFにて配信されており、いつでも視聴することができるようになっている。
同社にとってこういった動画配信は初挑戦だったようで手作り感は否めないものの、様々なセクションの人々をゲストにより深い話を聞くことができる。
また、パーソナリティに業界のことに疎い女性声優が起用されており視聴者の疑問を代わりに質問してくれるため、全くの素人でもわかりやすい。
今のところ再生数は数百と芳しくないが、とても貴重な動画なのでぜひともご視聴いただきたい。
ニコニコ生放送版
ニコニコ生放送版は、2016年1月1日〜現在も毎週木曜20:00~放送されている。
こちらは生配信ということなのでリアルタイム視聴か1週間までのタイムシフト試聴のみとなっている。
パーソナリティは堀北真希似の美人スタッフ オカリナさんと、USP代表取締役の松浦裕暁さんの2名。生放送らしくコメントのやり取りができるほか、メールコーナーも設けられているため様々な疑問を制作会社社長に直接質問することができる非常に貴重な機会だ。
サンジゲン制作作品の「ブブキ・ブランキ」が放映されていた時期にはそれらのメイキングを解説するサンジゲンソムリエというコーナーも有り、こちらはニコニコ動画にてアーカイブ配信されているので、3DCGを用いたアニメ制作の知識が乏しい人はこれを見て勉強すると良いだろう。
アニメ制作を知れば、アニメはもっと面白くなる。
さて、今回はウルトラスーパーチャンネルについて取り上げてきた。
これを見れば、アニメはもっと楽しくなる。これらの動画を通して、諸君のアニメライフを充実させて欲しい。
ちなみに
アニメ業界の実情を手っ取り早く知りたいなら、「ハッカドール THE あにめ〜しょん」第7話「KUROBAKO」をおすすめする。
制作会社で働くということはどういうことなのかをたった7分で知ることができるのでぜひご覧頂きたい。
アニメ制作の現状を表した傑作だ。